2010.06.29 社長のブログ19:<ピアノの違いが分かるという事――その2>

3.譜読みの段階は、デジタルピアノでもよいかもしれませんが、少なくても音楽の本質に近づこうとした時、デジタルピアノで、どう頑張ってもできるわけがありません。
最近では“生徒の7割がデジタルピアノです”とおっしゃる先生もおられます。
電子=デジタル、ピアノは、喩えていえば、造花を一生懸命本物に近づけようと作ったようなものです。『この造花は、水分をあげると、緑が濃くなるのですよ!』『ハッパを触ってください、本物そっくりで、すぐ切れるでしょう!』こんな高級造花を室内に飾っても、所詮、根のない生き物です。本来の「花」の持つ、美しさ、癒し、慰め、心をこめた手入れに反応してくれる、人が感じる喜び、自然の驚異などを感じさせてくれる、「生花」とは程遠いまがい物です。
電子ピアノの初歩的しかし根本的「限界」を良く理解して下さい。話がそれました。
4.新潟県、小出郷文化会館の『音楽合宿』は、もう10年以上続いて、公共ホールの活動として、意欲的なプログラムを組んでいる、ということで、「総務大臣賞」も受賞しました。その活動の一つに、ハイデルベルグ-マンハイム音大のProf.マイスターの、ベヒシュタインとスタインウェイを使ったレッスンがあります。
全然違った性格のピアノを弾いて、先ず生徒さんはびっくりします。そして、私の言う、『ベヒシュタインは、哲学の音がする』と言う意味が少し分かってくださる生徒さんもいます。
簡単に言えば、ここでは、こういう意味の音がほしいんだけど。。。。」といった時に、それらしく音が出てくれるピアノだからです。考えに反応してくれるピアノとも言えます。---こういってもお分かりにならない方が多いことでしょう、でもいいのです。日本は、そういう環境になかったわけですから。
でも、皆様方には、テクニックがあります。これからは、よいピアノで、タッチと音の関係を聴覚を研ぎ澄ませて、訓練すれば、すぐ身につくというか、求める音色を実現できます。曲のアナリーゼを通じて、「どんな音が要求されているか」を教わったり考えたりすることは、楽しいことです。そして、それが実現できた時の喜びは、更に大きく、そして、この達成によって、ショパンやドビュッシーという作曲家を理解できたとしたら、天にも昇る感動でしょう。
5.弊社が最近導入した、ホフマンのグランドピアノ(税込み255万円より)でもこういう体験ができます。インターネット上の第3者の「ブログ」でもこのことは、結構、驚異をもって、書かれています。例:「カオリンのつれづれ音楽日記」又、私の存じ上げないピアノの技術者は、“実際に楽器に触れて、音色の素晴らしさに驚いた。内部もしっかりした作りで、さすがベヒシュタインによるもの。。。と実感”と書いて下さっています。
どうか、色々なピアノで、比較しながらレッスンを受けてください。先生はスタインウェイ、生徒は、ヤマハ なんていうレッスンは愚の骨頂だと思います。先生はヤマハでも、こんなにいい音が出せる、と示さなければなりません。その違いにびっくりした勢いで、生徒さんは、もっといいピアノでそれが実現できる実感を味わってください。
お友達のピアノを弾いてみるのもいいでしょう。
6.神戸芸術センターのピアノコンクールの予選では、ザウター・プレイエル・ブルートナーのフルコン3台から自分の弾くピアノを選ばなければなりません。普段弾きなれた山は哉スタインウェイはありません。そこで、大抵の方は、“如何に個性の違うピアノが世の中にはあるものだ!!”、とびっくりします。そして、本選は又、ベヒシュタインなど、違うピアノで弾くのです。違うピアノに触れるだけでも、このコンクール(例年、1月末。東京芸術センターは3月末)は、受ける価値があると言えるでしょう。
ホフマンのグランドピアノについては、『百聞は一見にしかず』です。弊社ショールーム
や正規代理店で、同価格帯の国産ピアノと十分弾いて、比較下さい。
文責 戸塚 亮一
【過去の記事】
2010.05.25 社長のブログ18:<ピアノの違いが分かるという事――その1>
2010.03.05 社長のブログ17:弊社の販売網
2009.12.25 社長のブログ16:<独目八目> ブレンデルの言葉――読売新聞09.11.24夕刊より>
2009.08.25 社長のブログ15:<独目八目> ヨーロッパ留学希望者の方へ―― 2>
2009.08.05 社長のブログ14:<独目八目> ヨーロッパ留学希望者の方へ―― 1>
2009.04.17 社長のブログ13:<日本のピアノ・ヨーロッパのピアノ>
2009.03.01 社長のブログ12:「紙(幣)上の楼閣・2008年の崩壊」 独眼流孔明
2009.02.12 社長のブログ11:神戸芸術センターピアノコンクール 第2回
2008.10.24 社長のブログ10:最近の結婚式の挨拶から、次々に展開する話し
2008.09.29 社長のブログ9:また、ホールについて/日経の記事より(その1)
2008.05.27 社長のブログ8:ソロのピアニストは、ピアノ伴奏者より上?
2008.04.29 社長のブログ7:ピアノの違いを分かってほしい
2007.05.12 社長のブログ6:2つの演奏会評
2007.03.01 社長のブログ5:建築家、村井敬氏の見識
2006.04.17 社長のブログ4:「独目八目」
2005.12.01 社長のブログ3:社長からのメッセージ
2005.10.01 社長のブログ2:低価格の販売は
2005.06.06 社長のブログ1:戸塚からのメッセージ その1

さて、遅ればせながら今日のテーマは、4月21日の大澤美穂さんの東京都庭園美術館の演奏会と、4月28日の住友郁治氏の東京文化会館小ホールの演奏会についてである。
次は、文化会館小ホールで、当日券を求めてきた知人が、“小ホールでこんなに行列が出来るのは最近見たことがない!”というほどの盛況で、その方はあきらめて帰ろうとされた。私の切符の持分もまだ残ってはいるので、ダメならなんとか入れてあげますから、といってお引止めして、聴いていただいた。

