2008.10.24 社長のブログ10:最近の結婚式の挨拶から、次々に展開する話し

ある若いピアニストの結婚式に主賓でよばれました。そのスピーチでは、「日本では、いろいろなピアノを試すという、当たり前のことをするピアニストがホントに少なく、嘆かわしい。スタインウェイ、ヤマハがあれば事足れり、と思っている。そういう中にあって、この新婦のピアニストは、ある演奏会ではそこにあるヤマハを使わずに“プレイエル”を使い、次のリサイタルでは、ベヒシュタインをホールに持込んで使用した。」因みに、貧乏会社の弊社は、無料で貸し出すなどということは出来ない。さて、「こういうピアニストは出てくる音の違いをよく聴くし、音の出し方を工夫する。だから優秀なのです。」 と述べさせてもらった。 ご存知の様に、ヨーロッパの伝統メーカーは、独自に、ピアノの設計の思想があり、それは又、ピアノ製造方法の流派の影響も受けている。
ベヒシュタインは、これだけ、世界では優秀なピアノでありながら、東京都の公共ホールには3台しか納入されていず、東京芸大にも桐朋にも1台も入っていない。「日本はブランド市場=自分の判断力のなさの証左である。」とも批判した。いろんなピアノを弾きながら、自分の音を作っていくというか、求めていくというか、そのプロセスが分からないのである。私は、こう述べても、ベヒシュタインが売れていないことを、ひがんで言っているのではない。逆に、普及が少ないことに誇りを持っている。なぜならば、そこにこそ、私の職業上の使命があるからである。
東京都江東区の、山崎区長が、主賓で挨拶されたあとに私の挨拶があり、東京都の公共ホールの一つ、「テイアラ江東」にベヒシュタインの「B」型が納入されていることも申し上げた。(2007年11月納入)
次の話:最近、そこそこ弾かれる、あるお客様が、ベーゼンドルファーにほぼお決めになった。でも最終的にどうしても飽き足らず、スタインウェイに決められた、という報告に変わった。日本で、スタインウェイの「B」を5台そろえてもらい十分弾かれるという。残念ではあるが仕方がない。でも、最後に、ブログ上でのベヒシュタインの評価が高く、購入された方が満足である旨の記述を多く読まれ、購入する前にベヒの「B」をどうしても弾いてみたい、ということになった。
この方は、ご自分でもおっしゃっているように、各地のピアノ販売店で相当、試弾され、検討された方である。ベヒシュタインをお見せしたかったが、貧乏会社の弊社には、在庫が1台もない。そこで、「テイアラ江東」をご紹介したら、そこで、3時間借りられて、じっくりお弾きになった。そして、ついに、ドイツで検品をしたい、というご希望になった。丁度ドイツの音大の検品もあり、フランクフルトの「ベヒシュタイン・センター」に、ドイツ国内のセンター展示品や、工場からのものなどを集めて10台を揃えた。そして、結局、その方は、「ベヒシュタインB」に落ち着き、めでたく08年10月納品となった。
最近あるスタインウェイの特約店から、弊社が悪口を言われるようになった。これは、ようやく、「競争相手」と認めてもらえたわけで、大変誇りに思うことである。20年にしてようやくここに到達した。
3番目の話:「テイアラ江東」の調律を担当された方は、フジコ・へミングさんの調律をされている、村上武士さんであった。フジコさんは、ベヒシュタインファンで有名なことでしょう。私もフジコさんの関係から、村上さんを存じ上げている。この方の腕も、ベヒに決まった一因であることは、購入された方も認めておられた。これも偶然であった。
以下、次回へ。

