Non canceling 調律法3

2017年7月15日(土)

 

それでは調律師はどの様な手法でピアノの音から不適切な音を取り除いているのでしょうか?
そして、それは音楽にどれほど有害な物なのでしょうか?

ピアノの音は3つの弦で構成されたユニゾンで1音としています。3つの弦を左から1.2.3.と番号をつけます。仮に1の弦から不適切な「まるで音があっていない様な音」が出ていたとします。

2と3は普通に合わせればOKです。
問題は1と2を合わせる時、何か特別な事をしないと「音が合っているようには聞こえない」事です。

調律師がコントロール出来るのは、元々ピアノの音の中に無い第3の音「うなり」これを利用します。

うなりとは?中学校の物理の授業で習いますが2音間の音にわずかに合っていない為にズレがあった場合突如として出現する第3の音です。

これは音が完全に合っている場合、跡形も無く消滅しますがわずかにズレると再び現れます。つまりピアノのユニゾンで構成される音からうなりがわずかでも聞こえた場合、その調律はズレているという決定的な証拠になります。

今、例として説明しています1の弦から出ている不適切な音というのは、この「音がズレている時に出るうなり」とそっくりな音が自ら1弦で出している状態です。この不適切な音を消し去らないと「下手くそ!」といわれる事になります。

この不適切な音、1の弦から出ているうなりの様な偽物のうなりを本物のうなりを利用して消滅させます。

音は空気の振動からなる波です。うなりもまた波の1種です。音にまつわる波には「位相」というものがあります。それは物の裏表を表す様なもので波の裏表を表します。

音は疎密からなる波動です。密なタイミングをプラス、疎なタイミングをマイナスとして単純な音をグラフにすると、ちょうどアルファベットのSを横にした様なグラフ、サイン波のグラフが出来上がります。

位相とは、この波のグラフが始まる始まり方グラフの裏表を意味します。
始まりがプラスで次にマイナスそしてプラス・・
その様な波(音)があったとします。その順番に対して逆の始まり方の波
始まり方がマイナス次にプラス次にマイナス・・
となる波は逆位相の関係となります。

理論的にこの全く同じ波形の逆位相の波(音を)同時に鳴らしたら、お互いに片方がプラスの時にマイナス、片方がマイナスの時にプラスとお互いがお互いで打ち消し合い音が消滅します。

実は、この原理を応用して不適切な「まるでうなりの様な音のノイズ」を本物のうなり(偽物のうなりの逆位相のうなり)の音を使って消滅させているわけです。